★☆★〜ボクとアタチのあしあと〜★☆★

大切な2チワワンと母のあしあとまったりと

命の選択

あれから1週間。
 
親族が脳梗塞で倒れた。51歳。半身麻痺。この先もう、誰かの手を借りないでは生きてはいけない。
私は、この職にありながら、先週親族の命の選択の権利は誰にあるのか真剣に考えた。
担当医から、救命のために手術をするかもしれない。と。
脳梗塞自体は手術の適応ではない。手術をするのは脳浮腫改善のため。
真夜中、父親と話をした。「自分の年齢なら、もう助けないでいいと思う。でも、まだあの子は若い。子供たちのためにも、自分たちの手で見れる限り見るからなんとか助けてほしい」
それが父の考えだった。
私は、とても心無い人に思えるかもしれないが、現場で多くの同じような状況の家族も、その後の家族も
見てきている。
現実の問題。
周りの家族が見れるのか。80歳近くになろうとしている親が見れるのか。
助けてください。とは言えなかった。というより、私はその家族の意思を確認するべきだと思った。
しかし、医師は「それを聞けば、その人は助けないでほしい」というだろう。
医師も自分も同じような家族背景だから。と医師自身がそうなったときのことも話してくれた。
授業の合間の電話での医師との話であったが、医師は誠意をもって話をしてくれた。
時間をかけて。
そのうえで、何かあった場合には救命の手術をしてもらうことを選択した。
 
先週末に手術をし、これからの病気との本当の戦いが始まった。
寝たきりの生活になるのか、植物状態になるのか、車いすでの生活まではいけるのか。
まだ、分からない。
でも、父が毎日のように様子を電話をしてくれるのだが、その父の「今日はな。声を上げて笑ったんだよ」
「娘たちが握手。と言って手を握ったら、痛いくらいに手を握り返してきたんだぞ」と。
嬉しそうに私に話をしてくれる。
涙が出た。
ああ。父は子供の成長を見ているかのように、報告してくれている。
これで、良かったのかな。
なんとかなるさ。
いろんな人の力も借りることになるだろう。でも、生きていれば、闘えれば、きっといいこともあるだろう。
私がそう信じて治療してきたことと同じように、頑張れ。とは言わない。踏ん張れ。
私ができること見つけていこう。
家族だからね。ともに生きていこう。
たくさん、泣くこともあるだろうけど、笑っていればいいこともある。